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運良くなにもなかっただけ

過去最大級の台風が本州に上陸するとのことで、僕と恋人は上陸前日の夕方に近所のスーパーへ食料品の買い出しに出掛けた。

数日前からテレビやネットニュースが今回の台風がいかに危険かということを知らせていたこともあり、僕たちは買い出しレースに大幅に出遅れていたようだった。

すでにカップ麺やらパン類はほとんど陳列棚から姿を消していた。

僕は現在、腎臓結石の治療中ということもあり医者からカップ麺などのインスタント商品の摂取をストップされている。

だから、どちらにしろ今は食べられないし・・・

パンがなけりゃ、白米を多めに炊いておいておにぎりでも作り貯めしておけばよい。

そうそう、もしかしたら電気やガスが止まるかも・・・と、流水麺という水でほぐすだけで食べられるお蕎麦とうどんも買った。

ペットボトルの水は当たり前のように売り切れていたので、なんとなくカルピスウォーターを抱え、ひねり揚げというおかき、かりんとう、柿の種などのおつまみを買った。

まるで部屋のテレビでスポーツ観戦でもするかのようなラインナップだ。

台風上陸の当日は、なんだか僕も恋人も朝からそわそわしていた。

そのそわそわが鳥たちにも伝わるのだろう。

鳥たちもなんだかそわそわ。

普段はおとなしい子が落ち着きがなかったり、その逆もしかり。

オカメインコのポテトくんはいつにも増してテンション高く歌を唄ってくれた。

21時頃、我が家に台風がだんだんと近づいてきたようで、鳥たちにはケージに戻ってもらった。

サザナミインコのくるみちゃんは、増水して氾濫している川の様子をポヨポヨと鳴きながら見ていた。

幸い、我が家は何事もなく台風をやり過ごした。

高台に住んでいるということもあり、今回は特に避難の準備はしていなかった。

ここ数年、避難を余儀なくされるような大きな災害が国内で頻繁に起きている。

それなのに、我が家は被災することはないだろう、きっと。

だなんて、思ってしまっている。

ペットと暮らす飼い主として、自覚が足りないんだろうな。

いちど、恋人といっしょに鳥たちと自分たちの防災対策について真剣に話し合う機会をつくろうと思う。

そういえば台風が上陸した当日、文鳥のラムネくんは大好きなエン麦を食べながら僕をキリリと見つめていたな。

ひとしよ、台風への備えはそんな適当で良いのか?とでも言いたかったのかもしれない。