【見て見て!ウチの子】第1回ゲスト:智恵さん(後編)
21min

愛鳥家の方のお宅におじゃまさせて頂き、バードライフについてお話を伺う企画『見て見て!ウチの子 〜気になるみんなのバードライフ』第1回目のゲストは智恵さん。
今回は後編をお届けします。
放鳥について
すっかりふたりとものんたんに懐いてくれていますね。では、後半もよろしくお願います。次は放鳥についてお聞きします。放鳥は何時から何時間とか決めていますか?
ひとし
智恵さん
仕事の日は朝5時〜7時半くらいまで。17時に帰宅してからこの子たちを寝かす19時くらいまで放鳥しています。
智恵さんが部屋にいるときはほとんど放鳥されてらっしゃるのですね。放鳥中ってキチジローくんとオチャマルくんはどんな様子ですか?
ひとし
智恵さん
鳥たちはいろんなところに潜ってプイプイ鳴いてます。お腹が空いたらケージに戻って勝手にごはんを食べています。たまにおやつとして果物、シャインマスカットをあげるのですが、美味しそうに食べてくれます。
ひとし
智恵さん
本を読んだり、パソコン触ったり。この子たちを眺めてゆっくり過ごしたり。ただ、居眠りだけは放鳥中は危険なので気をつけています。
餌について
キチジローくん、美味しそうにペレットを食べ始めましたね。キチジローくんとオチャマルくんの食事、餌について教えてください。
ひとし
主食
ひとし
智恵さん
そうですね。主食はズプリームのフルーツSサイズですね。最初は一番小さいXSだったんですけど、お水に溶かしてしまう分量が多くてすぐに水が濁っちゃって。誰かからアドバイスもらったんですが、サイズを大きくしたら水に落としにくくなるよって。それでワンサイズ大きなSサイズに変更してみたんです。すると、ほんとに以前よりお水に溶かすことが減ったんです。
ひとし
智恵さん
同じくズプリームのナチュラルも与えています。こちらもやはりSサイズですね。フルーツだけだと、ウンチの色が赤っぽくなったりして健康チェックが分かりづらくなると思って。
ひとし
智恵さん
朝、補充して、さっきも言ったように夜は残っているものは撤去しますね。
量はどれくらい与えていますか?一般的には体重の1割程度と言われていますが。
ひとし
智恵さん
最初はちゃんと計っていましたが、いまはちょうどよい分量のスプーンがあって、それに一杯がだいたい一羽分って分かってきたので、それを二杯餌箱に入れていますね。
なるほど、体重管理や飼育の経験からこの子たちの適切な分量を探しだした感じですね。
ひとし
智恵さん
あ、そうそう。実は先日、衝撃の現場を見ちゃったんですよ。オチャマルがキチジローからごはんをもらっているようなんです。
ひとし
智恵さん
通常、吐き戻しはオスがメスに自分が食べたものを吐き出して与えるという求愛行動ですよね(笑)
ひとし
智恵さん
面白いでしょう?(笑)恋人でも親子でもないのにねぇ。
おやつ
主食はペレットとのことですが、おやつとしてシードなども与えていますか?
ひとし
智恵さん
オーチャードグラスやフォニオパディを与えたり、
とりきち横丁さんや
ぶんたのもぎたて生穂さんの半熟キビ穂とかも与えています。あと、黒瀬ペットフードさんのサクサクサラダなども。
果物はさきほどシャインマスカットとおっしゃていましたが、他にも何か与えていますか?
ひとし
智恵さん
シャインマスカットは時期ものなので通年では与えていなくて、普段はリンゴを3〜4日に1回くらいですね。
ちなみにオーチャードグラスとフォニオパディは最初から与えていたのでしょうか?それとも、色々と試してみて結果それに落ち着いたのでしょうか?
ひとし
智恵さん
そうですね、最初はオーツ麦(えん麦)を与えようとしたんですが、全然食べてくれなくて。
オーツ麦は、食が細いときなどに動物病院でも「これならきっと食べてくれますよ」っておすすめされるくらい、鳥には人気だったりしますけどね。
ひとし
智恵さん
ウチの子たちはなぜかダメでしたね。いっぱい買っちゃったんですけどねぇ(笑)
ペレット or シード
サザナミインコは消化器官が弱いので、シードを与えすぎないようにと一般的には言われています。そういう点でペレットを主食、おやつをシードと分けているんでしょうか?
ひとし
智恵さん
そう言われていますよね。サザナミインコを飼うようになって、初めてペレットを知ったんです。昔はおそらく粟とかキビとかが入った混合シードが主流でしたからね。ペレットを主食にしているのは、栄養面というよりも、シードと違って殻が飛び散らないというのが私にとってはとても楽で(笑)助かっている、というのもありますね。
鳥のペレットはまだ歴史も浅いですからね。おそらくまだ15年ほどでしょうし。
ひとし
智恵さん
そうそう、ペレットとシードについての面白い話がありまして。先程お話した静岡のブリーダーさんなんですが、つい最近までサザナミインコをシードで育てていたそうなんですよ。しかもレース鳩用に配合された飼料で。あとはエッグフード。強い体づくりを、ということらしいんです。
レース鳩用の飼料・・・たしかに強い体にはなりそうですが。
ひとし
智恵さん
で、最近になって試しにペレット食に切り替えたそうなんです。すると、羽根の艶や健康状態が良くなったそうなんです。
総合栄養食としてのポテンシャルの高さがうかがえますね。
ひとし
智恵さん
でもね、繁殖能力は落ちたそうなんですよ。不思議ですよね。
とてもおもしろい話ですね。ペレットにもシードにもメリット・デメリットがそれぞれありますが、10年後、20年後、飼い鳥の主食はどのように変化しているのでしょうね。
ひとし
健康について
健康管理についてお伺いします。読者のみなさんも気になる項目だと思います。
ひとし
起きている時間帯
Twitterで拝見していると、とても規則正しく起きて、寝かせていますよね。
ひとし
智恵さん
この規則正しさは、私がコントロールしているんじゃなくて、キチジローがコントロールしてくれているんです。
ひとし
智恵さん
キチジローは19時になったら、自分でケージに戻って寝るんです。そして、朝は5時になるとプイプイ鳴いて「起こせ、起こせ」と。オチャマルもそれに合わさざるを得ないような感じ(笑)
じゃ、オチャマルくんは「え?もう寝るの〜?」ってケージに戻ったり「まだ眠いよう」って起こされているんですね(笑)
ひとし
温度管理
夏と冬、それぞれの温度管理について教えてください。
ひとし
智恵さん
夏はこの部屋、東と南に窓があってものすごく暑いんですよ。一気に30度くらいになるんです。
ひとし
智恵さん
ひとし
智恵さん
冬でも10℃から15℃くらいあればこの子たちは大丈夫なようなので、晴れていればエアコンは付けずに出かけますね。低いですかね?
我が家では出かけるときは冬でも夏でもエアコンを設定して行きますが、冬はもうすこし高いですかね。最低でも18℃くらい。でもたまにエアコンをつけ忘れてたりすることありますが、それが原因で体調を崩したことは、いまのところありませんね。幼鳥や老鳥、病気を患っている状態などでなければ、たしかにそれくらいの温度でも大丈夫なのかもしれませんね。小鳥用のヒーターなどは使っていますか?
ひとし
智恵さん
サーモスタットを18℃くらいに設定して、寝るときに付けるくらいですね。知り合いに室外でコザクラインコのペアを飼っていた方がいて、その子たちは23歳まで生きていたそうですよ。
その子たちはたまたま寒さに丈夫な遺伝子を持っていたのかもしれませんが、なんだかそういう話を聞くと、飼育における温度管理の正解って分からなくなりますよね。その子に合わせた環境を見定めていくのが、飼い主としての役目なんでしょうね。
ひとし
日光浴
ひとし
智恵さん
この子たち、日光浴はあまり好きじゃないようなんです。部屋に入る直射日光もできるだけ避けて行動していますね。ただ、水浴びするときだけは日差しのある場所でやりたいようで、窓の近くでシュッシュッってしてあげます。
体重管理
体重の計測は一日何回、いつ計るとか決めていますか?
ひとし
智恵さん
ひとし
智恵さん
体重計の数字を写真に収めていますが、何ヶ月も前のとかは消します。
ちなみに今、キチジローくんとオチャマルくんは体重いくらくらいですか?見た感じ、結構しっかりしてそうなんですが。
ひとし
智恵さん
キチジローが58グラム、オチャマルが60グラムくらいですかね。どちらも満腹時ですが。結構どっしりしているでしょう?とくにオチャマルはヒナの頃、70グラムありましたからね。
ひとし
智恵さん
病院の先生曰く、肥満ではないみたいです。骨格、体格が大きいそうです。
ひとし
智恵さん
それが、とても賢いんですよ。体重を計る時間になると、キチジローが自分から体重計に乗ってきて。で、キチジローが計り終えると、オチャマルが「僕の番だ」って乗ってくるんですよ(笑)
動物病院
ひとし
智恵さん
とても鳥愛にあふれていて、説明なども分かりやすい良い先生ですよね。
ひとし
智恵さん
最初は近所の小鳥も診られるとうたっている動物病院で診てもらったのですが、おそらくサザナミインコをまったく知らない先生だったようで・・・
サザナミインコ、確かにあまりメジャーな鳥ではありませんが、まったく知らないというのは厳しいですね。
ひとし
智恵さん
質問しても回答がちぐはぐで。触診もおぼつかないというか、触るのを怖がっている感じで・・・そこへは行かなくなりましたね。あとは、横浜の子安にある小鳥屋さんでクリッピングをしてもらっているんですが、そこは病院ではないんですが、鳥の健康状態も分かるそうで、状態を診てもらったりしていますね。
ひとし
智恵さん
元気なときは基本的には行きませんね。鳥たちにストレスを与えてしまうことになるので。ただ、一年に一度くらいは健康状態を診てもらいには行きます。
ひとし
智恵さん
良い話とかそういうのではないですが、うちの子たちは男性と女性で対応が違うんですよ。子安の小鳥屋さんは男性なのですが、そこで爪切りをするときは「ギャーギャー」と暴れるのに、つばめ動物病院の女性の先生の前では「ぴーぽぽ、ぴーぽぽ」って気持ちよさそうに爪を切ってもらってるんです(笑)
ひとし
鳥グッズ
今、キチジローくんが乗っているスタンドにキチジローくんとオチャマルくんが!
ひとし
智恵さん
少し離れて見ると、本物と見間違えちゃいます!鳥グッズ、たくさんお持ちのようですね。いくつか紹介していただけますか?
ひとし
智恵さん
こちらは
ななさんが作ってくれた羊毛フェルト作品です。
仲良しなふたりの至福の表情が上手に表現されていますね!すてきです。
ひとし
智恵さん
こちらのイラストは
松尾佳香さんに描いていただきました。
きれいなグラデーションですね。キチジローくんもオチャマルくんも本当にそっくり。よく見ると額縁にも二人がいますね!
ひとし
智恵さん
あ!このブローチは智恵さんに初めてお会いしたときに付けてらっしゃいましたよね。ビーズとスパンコールでこんなにキラキラに!脚もとてもリアルですね。
ひとし
智恵さん
オーダーメイドで世界にたったひとつの作品を作ってもらうのは、本当に嬉しいことですし記念になります。
あ、そうそう。智恵さん、実は今回の取材のお礼としてこちらをお持ちしたんですよ。恋人の
のんたんが描いたキチジローくんとオチャマルくんです。どうぞ。
ひとし
智恵さん
え!うそ〜!嬉しい!なんとっ!キチ!オチャ!大変だよ〜かわいい・・・水彩画ってすてきですねぇ。ありがとうございます。のんたんさんの作品、今度購入させていただこうと思っていたんですよ〜
おすすめの飼育書
サザナミインコに特化した飼育書は日本ではまだ販売されていませんが、なにか参考にした鳥の飼育書などはありますか?
ひとし
智恵さん
SNS
ネット上で鳥友さんとのつながりがあると思いますが、どんなSNSを利用していますか?
ひとし
智恵さん
FacebookとTwitter、Instagramを利用しています。元々はFacebookをマラソン関係のつながりでメインで利用していて、TwitterやInstagramはほぼ放置状態だったんですが、この子たちと暮らすようになってどちらも利用するようになりました。ほぼ鳥たちに関する投稿ですね。他の鳥飼いさんたちの投稿を見るのも楽しみのひとつです。
ひとし
智恵さん
インスタはすこしフォーマルな感じ。特別に残しておきたいというような写真とか。Twitterはカジュアルな感じ。日常のことや失敗写真なども投稿していますね(笑)リアルに鳥友さんとお会いしたのはTwitterのつながりからですね。最初、何人かと鳥イベントでお会いしたときにお茶したのですが、「鳥同伴でもお茶会したいよね」ってことで鳥同伴のお茶会を開催しはじめたんです。
ひとし
(鳥同伴お茶会のようす)
智恵さん
くるみちゃんは我が家にお迎えしてからは、他のお家の鳥さんたちと接触するのが初めてだったので、僕も知らないくるみちゃんの表情や行動を見ることができて、勉強になりましたし、鳥同伴お茶会はとにかく楽しかったです。
ひとし
これから鳥をお迎えしようと考えている人へ
この記事を読んで、サザナミインコなどの鳥をお迎えしようと考える読者さんもいらっしゃるかもしれません。これから鳥をお迎えしようと考えている人へメッセージなどあれば。
ひとし
智恵さん
鳥は犬や猫にくらべて飼うのが簡単だって思ってる方も多いと思いますが、決してそうではありません。病気だってするし、感情だってあります。とても賢い生き物です。安易な気持ちではお迎えしないでほしいなって。鳥たちからすると「頼れるのは飼い主だけだ〜」って。愛情深い生き物ですし、絆が生まれたらかけがえのない存在になりますよ。
智恵さんにとってバードライフとは
では、最後に智恵さんにとって『バードライフ』とは?
ひとし
智恵さん
いちばん大事なもの。この子たちとの一日一日を大切にしたいです。心の支えだし、生きがい。毎日、この子たちに会えると思って、お家に帰ってくるのが楽しみでしょうがないんです。
取材を終えて
小さな頃から動物が大好きだった智恵さん。
桜文鳥のピッピちゃんから始まって、セキセイインコ、コザクラインコ、猫ちゃんとの暮らしを経て、サザナミインコとの運命の出会い。
キチジローくん、オチャマルくんとのバードライフは智恵さんのふたりへのたっぷりの愛情と工夫で成り立っていました。
普段、TwitterやInstagramで拝見していた以上に、キチジローくんもオチャマルくんもどちらも個性的で智恵さんとの暮らしを謳歌している感じを受けました。
鳥友さん同士のつながりも大切に、鳥同伴お茶会を主催するなど活躍されている智恵さん。
これからも、智恵さんの周りにはたくさんの鳥友さんが集まるでしょうし、パートナーのヤスさん、そして何よりキチジローくんとオチャマルくんが智恵さんをより幸せなバードライフへと導いてくれると思います。
長時間の取材、至らない点や失礼な質問もあったかもしれません。何ひとつ嫌な顔せず、終始笑顔でご協力を頂きまして本当にありがとうございました。
ひとし