ひとし
雛でお迎えした鳥さんが最初は手のひらの上で眠ったり、頭や身体をなでなでかきかきさせてくれていたのに・・・ある日突然、飼い主に対して攻撃的になり噛み付いてきたり、ケージに戻ってくれなくなったり。
人間の子供が思春期を迎えるあたりに両親や周りの人に対して反抗的な態度をとってしまう、いわゆる反抗期と同じような時期が鳥さんにも訪れることが多々あります。

ちなみに人間の【反抗期】は辞書『大辞林』によると下記のように定義されています。
自我の発達過程において、周囲の者に対して否定的・反抗的態度が強く表れる時期。自我が発達してくる三、四歳頃のそれを第一反抗期、自我の独立を求める青年期初期のそれを第二反抗期という。
スーパー大辞林(三省堂)
ひとし
生後4ヶ月くらい経ったころだったでしょうか。
突然、気性が荒くなり、今まで意思疎通が出来ていたと思っていたことがことごとく出来なくなってきました。
文鳥の生後4ヶ月は人間の年齢に換算するとだいたい12歳くらい。
人間の青年期が14歳くらいから始まるので、先程挙げた人間の第二反抗期とほぼ重なります。
ただ、鳥種問わず反抗期が始まる時期には個体差がありますし、中にはそのような時期がみられないような場合もあるでしょう。
(我が家のオカメインコ、ポテトくんは反抗期はありましたが、それほど激しくはありませんでした)
鳥さんの自我が芽生えてくる時期、それが反抗期の始まりなのかもしれません。

反抗期の鳥さんによく見られる行動としては以下のようなものが挙げられます。
・飼い主の手を嫌がるようになる。
・なでなで(カキカキ)させてくれなくなる。
・ケージに戻ってくれなくなる。
・攻撃的になり、飼い主の身体のさまざまな部位に強く噛み付くようになる。
ひとし
この画像のように、チロルちゃんの攻撃から身を守るため夏なのにパーカーを着てフードで頭をカバーしていました。

作家(サイエンスライター)の細川博昭先生の見解では、人間と同じようにインコなど鳥の反抗期は成長にともなう性ホルモンのバランス変化によって、自身の心が上手くコントロール出来なくなり、その不安心が要因となって攻撃的な行動などに表れてしまうのではないか、とおっしゃっています。
参考書籍:『マンガでわかるインコの気持ち』(細川博昭 著)

まず、ひとつ言えることは反抗期自体を止めることは不可能だということ。そしてもうひとつ、あくまで反抗『期』であるということです。個体差はあるでしょうが、反抗期に見られるような行動がこの先ずっと続くことはありません。成長、学習の証でもあるこの反抗期の鳥さんの行動を飼い主さんはどうぞ大きな心で受け止めてあげてください。
とはいえ、反抗期の鳥さんへの対策も多少考えなければ、僕たちも人間ですから愛鳥さんのことを理解出来なくなり、だんだんとその良好な関係性をあきらめてしまうかもしれません。
そこで対策法のひとつとして、クリッカートレーニングをおすすめします。我が家ではサザナミインコのなすびくんにとても有効でした。ぜひ、クリッカートレーニングを利用して反抗期の鳥さんの行動を上手にコントロールしてあげましょう。


飼い主からしてみると問題行動のように感じられる鳥さんの反抗期も、その子にとっては成鳥へと自立していくために必要な成長過程と言えます。僕も今まで育ててきた6羽の鳥さんたちの幼鳥期、そのほとんどの子に手を焼きました。しかしながら、今思い出すとその子たちそれぞれの今現在の個性を形作る大切な時期でもあったんだな、と苦労した時期を懐かしく微笑ましく思い返すことが出来ます。
人間の子育て同様、反抗期の鳥さんを根気強く見守ってあげてくださいね。鳥さんの反抗期をともに過ごす経験は、飼い主さん自身の成長期でもあるのです。

