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鳥さんをお迎えするということ

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色鮮やかな羽、愛らしい仕草、そして心に響く鳴き声。

鳥さんが持つ魅力に惹かれ、「いつか家族に迎えたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?

その小さな存在は、僕たちの日常に彩りと癒やしをもたらしてくれます。

ひとし
ひとし

しかし、その輝く瞳の奥にある命の重みと、僕たちが負うべき責任について、深く考えたことはありますか?

この記事では、鳥さんを家族として迎え入れることの本当の意味を探っていきます。

すでに鳥さんと暮らしている方も、改めて初心に立ち返るきっかけとして、ぜひお読みくださいね。


この記事を書いた人

かたやまひとし
バードライフアドバイザー2級 / 愛玩動物飼養管理士2級
2011年、文鳥さんをお迎えしてバードライフ沼にどっぷりハマる。愛鳥(オカメインコ)の死をきっかけに、鳥の飼育について学ぶように。2018年より、鳥の飼育初心者の方に向けての情報発信(ブログYouTube)を中心に活動しています。
趣味は、ランニング・読書・野球やバスケ観戦・スパイスカレー作り・台湾茶を淹れること、など


『可愛い』だけじゃない、命への深い責任

僕たちは動物と接するとき、つい「癒やし」や「可愛さ」といった側面を強く意識しがちです。

もちろん、それは素晴らしい感情であり、否定されるべきものではありません。

しかし、その感情の根底には、「ひとつの命を預かる」という、重く、そして深い責任が存在することを忘れてはなりません。

ひとし
ひとし

鳥さんをお迎えするという決断は、「その小さな命が尽きる最期の日まで、責任を持って寄り添う」という固い決意と覚悟を伴うものです。

それは、言葉も文化も異なる誰かと共に人生を歩むようなもの。

理解しきれない部分があるのは当然です。

だからこそ、僕たちは積極的に学び、相手に寄り添い、時間をかけて信頼関係を築いていく努力が求められます。

言葉を超えたコミュニケーション:鳥さんのサインを読み解く

ひとし
ひとし

鳥さんたちは、人間のように言葉を話すことはできません。

しかし、彼らはその豊かな感情や要求を、目の輝き、羽の動き、鳴き声の種類、そして様々な仕草を通して、僕たちに伝えようとしています。

  • 目の輝き: 安心している時、好奇心旺盛な時、不安な時で、瞳の輝きや開き方が変わります。
  • 羽ばたき: 要求がある時、興奮している時、威嚇している時など、状況によって羽の使い方が異なります。
  • 鳴き声: 甘える声、警戒する声、仲間を呼ぶ声など、多彩な鳴き声で感情を表現します。
  • しぐさ: 羽繕い、ケージを噛むなど、行動の一つ一つに意味が込められています。

これらのサインは、鳥さんからの大切なメッセージです。

僕たち飼い主は、日々の観察を通してこれらのサインを真剣に受け止め、彼らの心に寄り添う努力を続ける必要があります。




僕たち飼い主が与えるべきもの

ペットとして飼育されている鳥さんたちは、本来であれば広大な空を自由に飛び回り、仲間たちと社会を形成し、自然の中で生きていく存在です。

ひとし
ひとし

人間と共に暮らすということは、彼らからその「自由」をある程度制限することを意味します。

その代償として、僕たちは彼らに何を提供すべきでしょうか?

それは、単なる餌や水、安全なケージだけではありません。

安心できる環境、安全な暮らし、深い愛情、そして何よりも「個」としての尊重です。

彼らが本来持っていたであろう自由な生活に代わるだけの、豊かで満たされた環境を提供することが、飼い主の責務と言えるでしょう。

人間の都合で傷つく心:保護施設で見た現実

以前、動物保護団体のイベントでスタッフの方とお話しする機会があり、飼いきれなくなった鳥さんたちが保護されている施設を訪れたことがあります。

そこで目の当たりにした現実は、胸が締め付けられるものでした。

飼育放棄の悲しい理由

保護されている鳥さんたちの中には、「鳴き声が思ったよりもうるさかった」「世話に手間がかかりすぎると感じた」「単純に飽きてしまった」といった、人間の身勝手な理由で手放された子たちが少なくありませんでした。

心を閉ざしたオカメインコの話

特に印象に残っているのは、一羽のオカメインコです。

ケージ越しにもかかわらず、人が近づくと怯えて逃げ回っていました。

スタッフの方によると、その子は元々非常に人懐っこい性格だったそうです。

しかし、飼い主に構ってもらえず、無視され続けるうちに、すっかり心を閉ざしてしまったとのことでした。

ひとし
ひとし

人間の都合によって、鳥たちの命や心が翻弄される現実を痛感した瞬間でした。




一方通行ではない関係へ:共に生きるということ

チロル

僕たち飼い主は、自問自答する必要があるかもしれません。

  • 鳥さんを「自分にとって都合の良い、可愛い存在」としてだけでなく、「感情を持った、かけがえのない個」として尊重できているだろうか?
  • 鳥さんが僕たちに与えてくれる癒やしや喜びと同じように、僕たちも彼らの生活に喜びや安心感を与えられているだろうか?

このような思いやりと尊重こそが、真の意味で「共に生きる」ということではないでしょうか。

ひとし
ひとし

人間とペットの関係は、従来の一方的な愛玩・所有という形から、より対等で、対話に基づいた関係へと進化していくべきだと強く感じます。

毎日の「対話」が築く信頼

僕自身も、ふとした瞬間に、愛鳥がじっとこちらを見つめていることに気づくことがあります。

何かを訴えかけているような、真剣な眼差しです。

ケージは清潔で、ご飯もお水も十分にあります。

それでも、その視線は何かを求めているように感じられるのです。

「ああ、今日はあまり声をかけていなかったな・・・」そんな風に反省させられる瞬間です。

どんなに忙しい日々の中でも、意識して鳥さんと向き合い、「対話」する時間を持つこと。

それは、言葉にならないコミュニケーションかもしれませんが、鳥さんとの信頼関係を少しずつ、しかし確実に育んでいくための大切な時間なのだと実感しています。

選んだ者の倫理:「彼らは選べない」という言葉の意味

最後に、心に深く刻まれた言葉をご紹介します。

海外のバードレスキュー(鳥の保護施設)の壁に書かれていたとされる言葉です。

「彼らは選べない。だから、選んだあなたが責任を持たなければならない。」

ひとし
ひとし

僕たち人間は、共に暮らす動物を選ぶことができます。

しかし、動物たちは飼い主を選ぶことができません。

彼らの生涯は、僕たち飼い主の選択と行動に大きく左右されます。

その大きな力を持つ者として、僕たちは常に倫理的な責任を自覚し、行動しなければなりません。




おわりに:命と交わす約束

鳥さんを愛玩動物、ペットとして家族に迎えるということ。

それは、単なる飼育ではなく、命と命が交わす、尊い約束です。

その約束の根底に、深い愛情と、相手を尊重する心、そして何があっても最後まで責任を持つという覚悟があれば、きっと種を超えた、かけがえのない素晴らしい関係を築くことができるはずです。

ひとし
ひとし

これから鳥さんを迎えようと考えている方も、すでに鳥さんと暮らしている方も、この小さな命との約束を、今一度心に刻んでいただければ幸いです。

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