
新しい家族として可愛い鳥さんをお迎え!想像するだけで胸がワクワクしますよね。
「ようこそ!」って、すぐにでもナデナデして歓迎したい気持ち、僕も鳥好きとして痛いほどよく分かります。
でも、その衝動、ちょっとだけ待ってみませんか?

実は、お迎え初日の接し方が、その後の鳥さんとの関係を大きく左右するかもしれないんです。
今回は、鳥さんの気持ちに寄り添って、お迎え直後の最適なコミュニケーションについて考えていきましょう。

目次
なぜお迎え直後は触らない方が良い?

小鳥さんをペットショップやブリーダーさんのところから連れて帰る…
僕たちにとっては嬉しいイベントですが、鳥さんにとっては環境が激変する一大事です。
鳥さんの気持ちになってみよう

まず、鳥さんの立場になって想像してみてください。
これまで過ごしていた場所から、見慣れないキャリーケースやプラケースに入れられて運ばれ、聞き慣れない音や声が飛び交う全く新しい場所にやってくる…。
これは、僕たちが想像する以上に、鳥さんにとっては大きなストレスと不安を感じる状況なんです。
環境の変化は大きなストレス


鳥さんは、もともと環境の変化にとても敏感な生き物です。
自然界では捕食される側の弱い立場にいるため、本能的に警戒心が非常に強い傾向があります。
住む場所が変わるというのは、彼らにとって「安全な場所が失われたかもしれない」という危機的状況とも言えます。
「触る」=「怖い」かも?
僕たちが愛情表現として「触る」行為も、お迎え直後の鳥さんにとっては「大きな何かが自分に迫ってくる!怖い!」と感じさせてしまう可能性が高いのです。

ケージの隅でじっと固まっていたり、ご飯をなかなか食べなかったりするのは、緊張や不安を感じているサインかもしれません。
そんな時に無理に触ろうとすると、鳥さんをさらに怖がらせてしまい、「この人(飼い主)は怖い存在だ」とインプットされかねません。

触れ合いはNG?タイミングが重要

「じゃあ、ずっと触っちゃいけないの?」「信頼関係を築くためには触れ合いが必要でしょ?」と思いますよね。
もちろんです!優しい触れ合いは、鳥さんとの素晴らしいコミュニケーションであり、深い絆を育むためにとても大切です。
無理強いは逆効果
ただし、最も重要なのは「タイミング」と「鳥さんの気持ちを尊重すること」です。
鳥さんが警戒心マックスの状態でお迎え初日からぐいぐい距離を詰めようとすると、かえって逆効果になることが多いのです。

一度「怖い」という印象を持たれてしまうと、そのイメージを払拭するには時間がかかってしまいます。
鳥さんの個性を見極めよう
忘れてはいけないのが、鳥さんにも人間と同じように個性があるということです。
最初から人懐っこいフレンドリーな子もいれば、ちょっぴり臆病で繊細な子、パワフルな子もいます。
また、手乗りとして育てられた子、あまり人と触れ合った経験のない荒鳥(あらとり)の子など、育ってきた環境も様々です。
ですから、「絶対に触ってはいけない」とか「初日から積極的に触るべき」といった画一的な正解はありません。

大切なのは、あなたの目の前にいる鳥さんの様子を注意深く観察することです。
どんなサインに注意する?
以下のような様子が見られたら、「今はそっとしておいてほしいな…」という鳥さんからのサインかもしれません。
無理に触るのは控えましょう。
- ケージの隅で固まっている、またはバタバタとパニックを起こす
- 「ヂヂヂッ!」など、警戒するような鳴き声を発する(または全く鳴かない)
- ご飯や水を口にしない
- 羽を膨らませている(寒い場合もありますが、緊張や体調不良のサインでもあります)
お迎え直後の正しい接し方:僕のおすすめファーストコンタクト

では、具体的にお迎えした日から数日間、どのように接していくのが良いのでしょうか?

僕がおすすめするステップをご紹介します。
ステップ1:まずは「安心できる環境」づくり
- 静かな場所にケージを置く: 人の出入りが激しい場所や、テレビのすぐそばなど大きな音がする場所は避け、落ち着ける場所にケージを設置しましょう。壁際に置くと、少し安心感が増すかもしれません。
- 見守る時間: お迎え初日は、ケージに布をかけて少し暗くし、静かに過ごさせてあげるのも良い方法です。頻繁にケージの中を覗き込んだり、長時間じっと見つめたりするのは避け、鳥さんが「ここは安全な場所だ」と感じられるように、そっとしておいてあげましょう。
- 音に気をつける: ドアをバタンと閉める音、掃除機の大きな音、突然の大声などは鳥さんを驚かせてしまいます。お迎えしてしばらくは、ご家族みんなで生活音にも少し気を配れると理想的です。
ステップ2:「怖くないよ」を伝える声かけ

鳥さんが少し落ち着いてきたかな?と感じたら、ケージのそばを通る時などに、優しく穏やかなトーンで名前を呼んだり、声をかけてあげましょう。
「〇〇ちゃん、おはよう」「いい子だね」など、短い言葉で大丈夫です。
大声ではなく、鳥さんを驚かせないボリュームを意識してください。
声の調子で「あなたに敵意はないよ」という気持ちは伝わります。
ステップ3:距離を保ったコミュニケーション
環境に慣れてきた様子が見られたら(例:少しずつご飯を食べ始めた、羽繕いを始めたなど)、ケージの近くで静かに過ごす時間をとってみましょう。
本を読んだり、スマホを見たりしながら、鳥さんと同じ空間にいる時間を共有します。

この時も、無理にケージに手を入れたり、じっと見つめたりせず、「この人は近くにいても何もしてこない、安全な存在だ」と鳥さんに学習してもらうことが目的です。
まとめ:焦らず信頼関係を築こう

さて、今回は『鳥さんをお迎えしてすぐは触らないほうがいい?』というテーマでお話ししてきました。

結論としては、『基本的には、お迎え直後は無理に触ろうとせず、まずは鳥さんが新しい環境に安心して慣れるのを見守ってあげる』のがおすすめです。
もちろん、鳥さんの性格や状態によってはすぐに触れ合えるケースもありますが、特に初めて鳥さんを飼う方や、鳥さんの扱いにまだ慣れていない方は、焦って触ろうとして怖がらせてしまうリスクを避ける方が賢明だと僕は思います。
信頼関係は一朝一夕に築けるものではありません。
日々の優しい声かけ、丁寧なお世話、そして何よりも鳥さんの気持ちを尊重する姿勢が大切です。

お迎えしてからの最初の数日間を慎重に、鳥さんのペースに合わせて過ごすことが、その後の長く幸せな鳥さんとの暮らしの礎となります。
これから鳥さんをお迎えする方、すでにお迎えして奮闘中の皆さん、最初は不安なこともあるかもしれませんが、大丈夫です。
あなたの愛情を持って根気強く接すれば、鳥さんはきっとその気持ちに応えてくれます。
焦らず、ゆっくり、素敵な関係を築いていってくださいね。
