

あれ?最近ケージの底に羽がたくさん落ちてる…

なんだかうちの子、ボサボサして見えるけど病気かな?

鳥さんを飼い始めてしばらくすると、こんな心配をすることがあるかもしれません。
でも、多くの場合、それは病気ではなく『換羽(かんう、とやとも言います)』という、鳥さんにとってごく自然で大切な生理現象なんです。
初めて換羽に遭遇する飼い主さんは、びっくりしたり不安になったりするかもしれませんね。
この記事では、鳥飼い初心者さんが安心して愛鳥の換羽期を見守れるように、換羽の基本から、時期やサイン、そして飼い主さんができるケア方法、注意点まで、分かりやすく解説していきます。

また、僕のInstagramのフォロワーさんに募った『換羽に関するアンケート』の回答も記事のところどころに、そして最後にも掲載しています。
愛鳥家のみなさんのリアルな声も参考にしてくださいね!

目次
そもそも換羽(かんう)って何?鳥さんにとって大切な理由

まずは、『換羽』がどのようなものなのか、そして鳥さんにとってなぜ必要なのか、基本的なところから解説します。
羽が生え変わる仕組み:古くなった羽と新しい羽
『換羽』とは、簡単に言うと鳥さんの「衣替え」。
古くなったり、傷んだり、すり減ったりした羽が自然に抜け落ちて、新しくて丈夫な羽に生え変わるプロセスのことです。
鳥の羽は、私たち人間の髪や爪と同じように「ケラチン」というタンパク質でできています。
一度完全に伸びきると、それ以上成長したり、傷んでも自分で修復したりすることはできません。

そのため、定期的に新しい羽に交換する必要があります。
換羽の仕組みは、まず羽の根元にある「羽包(うほう)」という部分で新しい羽が作られ始めます。
羽包とは、羽が生える部分にある、皮膚がふくらんだ小さな組織のことです。
人間でいう「毛穴」のような役割を持っていて、羽はこの羽包の中で育ち、外に向かって伸びていきます。
新しい羽が生えるときは、羽包の中で羽のもとが作られ、やがて羽軸(うじく)を中心に広がるように成長していきます。
この新しい羽が成長するにつれて、古い羽が抜け落ちていく、という流れです。
また、多くの場合、体の左右対称に少しずつ抜けていくため、飛行能力への影響は最小限に抑えられます。
換羽は健康の証!でも少しデリケートな時期
この換羽があるからこそ、鳥さんたちは・・・
- 傷んだ羽を新しくする
- 空を飛ぶ能力を保つ
- 体温を調節する(冬には保温性の高い羽毛(ダウン)が増えるなど、季節に対応する側面も)
- 水を弾く
- 美しい姿を維持する(繁殖期前のオスがメスにアピールするために、より鮮やかな羽に生え変わることも)
上記のような生きていく上で欠かせない機能を維持できます。
つまり、換羽は鳥さんが健康である証拠とも言えます。

ただし、新しい羽を大量に作ることは、鳥さんの体にとって非常に大きなエネルギーを消費する大仕事です。
体内では、羽を作るために甲状腺ホルモンなどの分泌が増え、代謝が活発になり、肝臓でのタンパク質合成も盛んになるなど、目に見えない変化も起きています。
その結果、体重が一時的に減ったり、免疫力が低下したりする可能性も指摘されています。
こうした代謝の変化の影響で、一時的におしっこの水分量が増える(多尿) こともあります。
このように、換羽期は鳥さんにとって少しデリケートで、体力的に負担のかかる時期であることを覚えておきましょう。

アンケートでも以下の回答のように、体の変化が見られることがあるようです。
飼い主さん:chiharu.pkas
①換羽中の気になった変化:
我が家はコザクラインコ5羽サザナミインコ3羽オカメインコ3羽の子が居りますが、オカメインコの換羽時期が1番わかりやすく、尿の量がとても多くなります。
酷い時はケージに敷いてあるキッチンペーパーが一面ビショビショになり、こんなに凄い量は病気かな?と心配になるくらいです。
ただそろそろ換羽期に入りそうです。
普段より尿の量が増えてきました。
②換羽中のケア:
換羽期は尿の量が増える為、新鮮なお水、栄養価の高いペレットに替えます。
(普段はハリソンアダルトライフですが、そろそろかな?と言う時ハイポテンシーファインに変更)
換羽の種類:「雛換羽」と「成鳥換羽」(部分換羽・完全換羽など)

鳥さんの換羽には、いくつかのタイプがあります。
- 雛換羽(ひなかんう): ヒナ鳥が経験する最初の大きな換羽です。ふわふわの幼鳥期の羽毛から、大人の鳥と同じような、しっかりとした羽毛へと生え変わります。この時、羽の色や模様がガラッと変わって、親鳥のような見た目になる子もいます。一般的には生後2ヶ月から半年くらいの間に起こるとされています。
- 成鳥換羽(せいちょうかんう): 大人の鳥になってから、定期的に起こる換羽のことです。野生の鳥では、年に2回、繁殖期の前と後に行われるのが一般的と言われています。
- 部分換羽: 繁殖期の前などに、主に体の羽毛が中心に生え変わる換羽。飛ぶための重要な羽(風切り羽や尾羽)はあまり抜けないことが多いようです。
- 完全換羽: 繁殖期の後などに、飛翔に関わる羽も含め、全身の羽が抜け替わる大きな換羽。
- その他の換羽: 上記以外にも、傷ついた羽が抜け替わる「不規則換羽」や、何かに驚いて一時的に羽が抜けた後に生え変わる「補充換羽」などもあります。

飼育下の鳥さんでは、後述するように換羽のサイクルが乱れやすく、部分換羽と完全換羽の区別がつきにくくなっていることも多いようです。
インコや文鳥の換羽期はいつ?期間はどれくらい?

では、愛鳥の換羽はいつ頃やってきて、どのくらいの期間続くのでしょうか?
ここでは主に、大人の鳥さんに見られる「成鳥換羽」について、鳥さんの種類や環境による違いも含めて解説します。
(ヒナの最初の換羽「雛換羽」は生後2ヶ月~半年頃が目安です)
換羽の主な時期:年に1~2回が目安
健康な成鳥の場合、通常は年に1回または2回、定期的に換羽が起こります。
野生の鳥では、日照時間(昼間の長さ)の変化が主なきっかけとなり、繁殖期の前(部分換羽)と繁殖期の後(完全換羽)の年2回換羽することが多いと言われています。
しかし、ペットとして飼われている鳥さん、特に室内飼育の場合は、一年を通して温度が比較的安定していたり、夜も照明がついていたりするため、自然界のようなはっきりとした季節の変化を感じにくいことがあります。
そのため・・・
- フィンチ類(文鳥、カナリアなど): 比較的換羽期がはっきりしていて、日本の環境では繁殖期後の晩春~夏にかけて集中することが多い傾向があります。
- インコ・オウム類(セキセイインコ、オカメインコなど): 一年を通して少しずつ羽が生え変わっていることが多いですが、それでも春~夏や発情期・繁殖期の後に抜ける量が増えるなど、換羽のピークが見られることもあります。

このように、飼育環境によって換羽のタイミングが不規則になったり、野生の鳥とは異なるパターンになったりすることは珍しくありません。

換羽にかかる期間:個体差や種類による違い

換羽が終わるまでの期間は、鳥さんの種類、年齢、健康状態、栄養状態、そして飼育環境によって大きく異なります。
- フィンチ類: 比較的短期間(数週間~1ヶ月程度)で集中的に終わる傾向があります。
- インコ・オウム類: 数週間で終わることもありますが、特にセキセイインコやオカメインコなど小型の種類では約6週間程度、大型のインコ・オウムでは数ヶ月と、だらだらと長く続くこともよくあります。

あくまで目安であり、個体差が大きいことを覚えておきましょう。
環境によって換羽のタイミングはずれることも
換羽のタイミングをコントロールしているのは、主に日照時間(光周期)の変化と、それに伴うホルモンの働きです。
日照時間の変化が脳(下垂体)を刺激して、甲状腺ホルモンやプロラクチンといったホルモンの分泌を促すことで、換羽が始まると考えられています。
ちなみに、プロラクチンには発情を抑える作用もあるため、発情抑制の治療を行うと換羽が促されることもあるようです。

しかし、室内飼育で一年中快適な温度が保たれ、夜遅くまで明るい環境(つまり季節感がない環境)にいる鳥さんは、この自然なサイクルが乱れがちです。
不規則な発情を繰り返すことも、ホルモンバランスを崩し、換羽の周期を乱す大きな原因となります。
その結果、換羽期が不明確になったり、部分換羽と完全換羽の区別がつかなくなったり、一年中だらだらと羽が抜け続ける「慢性的な換羽」状態になったりすることがあります。
不規則な換羽は鳥さんの体にとって負担が大きいため、予防のためには、適切な環境管理や、食事管理による発情抑制が有効な場合もあります。
これって換羽のサイン?見逃さないで!主な症状と行動の変化


実際に換羽が始まると、鳥さんにはどのような変化が見られるのでしょうか?
見逃したくない主なサインや行動の変化について、具体的に見ていきましょう。
大量の抜け羽:一番分かりやすいサイン
ケージの中や、放鳥した部屋の床に、普段よりも明らかにたくさんの羽が落ちていることに気づくでしょう。
ふわふわした綿毛(ダウンフェザー)から、体の表面を覆う羽、時には風切り羽や尾羽などの大きな羽まで、様々な種類の羽が抜けます。
健康な換羽であれば、通常、広範囲に地肌が露出するような「ハゲ」ができることはありませんが、一時的に羽が薄くなったり、ボサボサに見えたりすることはあります。
抜け落ちた羽が、折れていたり噛み砕かれたりしていた場合、正常な換羽ではなく、自ら羽を抜いてしまう『毛引き』という行動によるものかもしれません。


毛引き行動の背景には、ストレスや退屈、皮膚病、栄養不足、何らかの疾患、感染症などの原因も考えられますので、かかりつけの獣医師に相談することも視野に入れてください。
体に見られる「ツンツン」の正体:筆毛(ひつもう)とは?
換羽期になると、鳥さんの体に、白っぽくてストローやトゲのような「ツンツン」したものが見られるようになります。
これは、「筆毛(ひつもう、ふでげ)」と呼ばれる、新しく生えてきている羽の赤ちゃんです。
この筆毛は、まだケラチン質の硬い鞘(さや)に包まれています。
特に頭や首周りによく見られますが、全身に生えてきます。


重要なのは、生え始めの筆毛の根元には血管が通っている(「Blood Feather」とも呼ばれます)ということです。
そのため、この時期の筆毛は非常にデリケートで、触ると鳥さんが痛がったり、折れると出血したりすることがあります。
イライラしてる?攻撃的になる?換羽中の行動変化
筆毛が生えてくると、鳥さんはムズムズしたり、敏感になったりします。
そのため、換羽期には以下のような行動の変化が見られることがあります。
- 羽づくろいの増加・かゆがる様子: 新しい羽の鞘を取り除き、羽を広げるために、普段より熱心に羽づくろいをします。この時、鞘のカスが白いフケのようにたくさん出ることがあります。体がかゆいのか、ケージの格子や止まり木に体をこすりつけたり、しきりに掻いたりする仕草も増えます。
- イライラ・神経質になる: 筆毛は非常に敏感なので、触られるのを嫌がることが多くなります。普段よりイライラして怒りっぽくなったり、攻撃的になったり、ケージの隅でじっとしていたりすることがあります。
- 鳴き声の変化: 鳥さんによっては、換羽期にさえずりを止める子もいます。他の鳥さんも、一時的に鳴き声が少なくなることがあります。


アンケートでも、以下の回答のように、換羽中のイライラした様子や攻撃性の高まりを体感されている飼い主さんは多いです。
飼い主さん:chicken_lover_kojika
①換羽中の気になった変化:
いつもより大人しかったり、逆にイライラしている事もある。
また、眠っている時間が長くなる。体重が減る。
②換羽中のケア:
保温には気をつけて、ヒーターをつけるようにしています。
また、栄養補助として、ネクトンを換羽用のものに変えたり、おやつの種類を増やしたりします。




飼い主さん:cockatiel_hoppechan
①換羽中の気になった変化:
イライラしてる感じがあります。
噛み付いてくる回数が増えたり、鳴いてることが多い。
体がシュッとしてることが多い。
②換羽中のケア:
栄養補助サプリをあげてます。
飼い主さん:haro_okame66
①換羽中の気になった変化:
見た目:ツクツクができる、発情も同時期なので体重が増える。
精神面:ずっと寝ている、不機嫌になる、カキカキの要求が増える、発情する。
②換羽中のケア:
食べ物:カルシウム(卵の殻からできた物)、ビタミン剤を与える。
環境:日光に当てる、ストレス発散のおもちゃを入れる、温度を2℃くらい高くする。




食欲不振や元気がないように見える場合の注意点
新しい羽をたくさん作るのには、たくさんのエネルギーが必要です。
そのため、換羽期には・・・
- 活動量の低下・睡眠時間の増加: 普段より大人しくなり、眠そうにしている時間が増えることがあります。体がエネルギーを羽の再生に集中させているためです。
- 食欲の変化: エネルギーと栄養がたくさん必要になるため、食欲が増すことが多いです。しかし、一時的な体調不良やストレスで食欲が落ちることもあります。また、換羽の体力的負担から、食欲不振や元気消失といった体調不良につながるケースもあるため、単なる換羽期の変化だと軽視せず、注意深く様子を見守ることが大切です。もし、ぐったりしている、食欲不振が続く、あるいは吐くなどの症状が見られる場合は、換羽以外の原因や、換羽による体調悪化も考えられるため、早めに獣医師に相談しましょう。


アンケートでも、以下の回答のように、食欲の増加・低下など、ふだんと明らかに異なる体調をみせる鳥さんは多いようです。
飼い主さん:apollonia.amatista
①換羽中の気になった変化:
とにかく食欲が増して食べまくること。
②換羽中のケア:
温度管理(高めに保つ)、食事をハリソンのハイポテンシーとラウディブッシュを少量ずつ複数回、加減しながら与えています。
いくらでも食べますし、欲しがるので大変です。
機嫌はいつもと変わらないので、放鳥もお風呂も通常通りやっています。




飼い主さん:zhongbenguizi58
①換羽中の気になった変化:
最近はないですが、以前鳴き声もなく餌も食べにこなくて病院に連れていきました。
②換羽中のケア:
- 栄養補助→換羽用のバードサプリbio
- 温度管理→保温、30℃キープ
- 体力を消耗しやすい時期なので短時間の放鳥
- 餌に(シード)タンパク質&アミノ酸入りの補助食を混ぜています
飼い主さん:si_ru_ru
①換羽中の気になった変化:
換羽になるとフンが水っぽくなったり、体重が激減する。
②換羽中のケア:
毎日体重を測っているので、シードやペレットの量を調整したり、温度管理に気をつけています。
最近寒暖差が大きく、思ったより朝が寒くて体調を崩しました。
今までは何ともなかったのですが、シニアインコの年齢になったので、これからはもう少し注意してあげないといけないと思いました。
病院へ行きましたが、特に問題のある所はなく、すぐに体調は良くなりました。
水浴びをしたがる?したがらない?


換羽期には、水浴びの頻度が変わる子もいます。
水浴びは、かゆみを和らげたり、筆毛の鞘を柔らかくして取れやすくしたりする効果があるため、普段より水浴びを好むようになる子もいます。
逆に、体力を消耗しているためか、あまり水浴びをしなくなる子もいます。
換羽期のインコのために飼い主ができること5選




体力を使い、デリケートになっている換羽期の愛鳥のために、飼い主としてできることは何でしょうか?
すぐに実践できる5つのサポート方法をご紹介します。
1. 栄養バランスの取れた食事:高タンパク・高カロリーを意識
羽毛の主成分であるタンパク質「ケラチン」を大量に作る換羽期は、栄養管理が特に重要になります。
普段の食事では栄養が偏りがちなシード食はもちろん、ペレット食でも、換羽期の要求量を満たすには不十分な場合があります。
- 高タンパク質: 鳥専門の獣医師の中には、換羽期には普段の倍程度、食事全体の約20%のタンパク質が必要になるという指摘もあります。タンパク質が不足すると、体は自分の筋肉を分解してタンパク質を補おうとするため、体調不良(嘔吐など)を引き起こす原因にもなりかねません。質の高いタンパク質源(茹で卵や炒り卵、エッグフード)を適切に取り入れましょう。
- 必須アミノ酸: タンパク質を構成するアミノ酸の中でも、特に体内で合成できない必須アミノ酸(メチオニン、リジンなど)は、羽毛の形成に不可欠です。
- ビタミン・ミネラル: 羽毛の健康に重要なビタミンB群(特にビオチン)や、甲状腺ホルモンに関わるヨードなどのミネラルも不足しないように気をつけましょう。
- エネルギー: エネルギー消費量も増えるため、十分なカロリー摂取も大切です。シードもエネルギー源になりますが、種類によっては、脂肪分が多いので与えすぎには注意が必要です。
- 補助食品の活用: これらの栄養素をバランス良く補うために、普段の食事を見直し、必要であれば換羽期用の栄養補助食品(サプリメント、例えばアミノ酸補給を目的としたネクトンBIOや、乾燥酵母なども有効と言われています)を活用するのも良い方法です。動物病院で扱っているものもありますので、迷った場合は獣医師に相談してみましょう。


アンケートでも、サプリメントなどを使用している飼い主さんは多かったです。
飼い主さん:45wano.inkozu
①換羽中の気になった変化:
チクチクしていて、ぷくっとふくれて寒そうだった。
また、飛べないインコも中にはいる。
②換羽中のケア:
いつもより暖かくして、(30度)ネクトンバイオを水に入れたら、結構、調子が良くなりました!
放鳥は、1時間にしてました。






2. 十分な保温:体温維持をサポート


換羽中は一時的に羽毛が少なくなり、体温を保つのにエネルギーを使っているため、普段より寒さを感じやすくなります。
また、免疫力が低下しやすい時期でもあるため、体調管理には特に気を配る必要があります。
- ケージは隙間風の当たらない場所に置きましょう。
- 部屋の温度を鳥さんにとって快適な範囲(一般的に20~25℃程度、健康状態にもよる)に保ちましょう。
- 特に体力が落ちている老鳥や病鳥、寒い季節の換羽では、ペットヒーターや保温電球(必ず安全な製品を選び、コードをかじられないように注意)を使って、ケージの一部を暖めてあげると安心です。ただし、暑くなりすぎないよう温度計でチェックし、鳥さんが自分で涼しい場所に移動できるスペースも確保しましょう。


アンケートでも、換羽中の室内の温度に気を遣っている飼い主さんがいらっしゃいました。
飼い主さん:yurina_rouge.omochi.crea.melon
①換羽中の気になった変化:
いつもはつやつやふかふかな羽をしているのに、ツクツクが出て全体的にボサボサになるのが気になりました。
あと、いつもよりもものすごくイライラしているのと、丸まってお昼寝する姿を見かけました。
②換羽中のケア:
換羽には体力を使うと聞いたので、いつもより2度くらいお部屋の温度を高めに保って、体温維持にかかる体力を減らしています。
あとはビタミン剤を欠かさず飲ませています。




3. ストレスを与えない環境作り:放鳥や触れ合いは控えめに


換羽期は鳥さんにとって心身ともにデリケートな時期。
ストレスをできるだけ減らしてあげることが大切です。
- 穏やかで静かな環境を心がけましょう。大きな音や、ケージの場所を頻繁に変える、新しいペットを迎えるなどの環境の急激な変化は避けましょう。
- 食事、放鳥、就寝時間などの毎日のルーティンをできるだけ一定に保つことも、鳥さんの安心につながります。温度、湿度、日照時間なども、換羽に影響を与える可能性があるため、できるだけ安定した環境を維持することが望ましいです。
- 鳥さんがイライラしている様子なら、無理に構わずそっとしておきましょう。放鳥も鳥さんの様子を見ながら、短時間にするか、お休みすることも検討してください。
- かじって遊べる安全なおもちゃ(木製、紙製など)や、様々な太さの止まり木(自然木がおすすめ)を用意してあげるのも、気分転換やストレス軽減に役立ちます。


アンケートでも、換羽中の気持ちが不安定な鳥さんへの配慮が見受けられました。
飼い主さん:ayatchi._.buncho
①換羽中の気になった変化:
急に沢山抜けちゃうと体に負担がかかっているのか元気がいつもよりなくなります。
昼間も食べてはうとうと寝ています。
放鳥してもいつものように遊ばずすぐにケージに戻って休んでいます。
②換羽中のケア:
いつもと変わらず食欲はあるので大好きなシードを多めにあげています。
水にはビタミン剤を入れます。
温度も体を冷やさないように常に保温します。
放鳥は体の負担にならない程度の短時間に。




飼い主さん:yohrychee
①換羽中の気になった変化:
少し気が立っている様子、ケンカが多いような?
②換羽中のケア:
栄養価の高いペレット、シードを多めにあげる。
放鳥はケンカが多くなりがちなので1羽ずつ。


飼い主さん:piyopippi_jp
①換羽中の気になった変化:
【2歳半のオカメインコ(ホワイトフェイス)】
普段は手を差し出すと静かに乗って見上げてくることも多いですが、手に噛みついたり、何度も頭にばかり飛び乗ることが多くなります。
イライラして感情をぶつけるようにケージ内のおもちゃにあたったり、放鳥した時のはばたき方が明らかに荒々しくなります。
②換羽中のケア:
- 主食のペレットを換羽期用のものに変えます。
- 特に気温が低い季節の換羽の場合は、室温が普段より少し高くなるように気にかけます。
- 換羽期はまるでオカメパニックのような激しい飛び方で部屋中を飛び回ることが多いので、ケガ防止のため出す時間を少なくしています。
- 出す時間は、初めて見る段ボールや紙袋などを出して気を引き、ガジガジ遊びに集中してもらいます。
- もともとこの子はかじるのが特別好きなので、換羽期にはストレス発散で思う存分かじれるような遊び場を意識しています。
- 換羽期では苛立ちや荒ぶる行動の方が目立ち、ぐったり大人しくなったり体重が減ったりはあまりしないタイプの子ではありますが、それでもこの時期は早めに暗くし長く寝るように環境を整えます。


4. 清潔な環境の維持:抜け羽の掃除


換羽期は抜け羽や、筆毛の鞘のカス(フケのようなもの)がたくさん出ます。
これらがケージ内に溜まると不衛生になりがちです。
- ケージの底に落ちた羽やフケは、こまめに掃除して清潔な環境を保ちましょう。
- 水入れやエサ入れもいつも以上に清潔に保つよう心がけてください。
5. そっと見守る姿勢:過度な干渉はNG


換羽期の鳥さんは、普段よりも触られるのを嫌がることが多いです。
特に、生えたばかりの敏感な筆毛に触られるのは痛みを感じることもあります。
- 鳥さんが嫌がる素振りを見せたら、無理に触ったり、筆毛をいじったりするのはやめましょう。
- 基本的には、鳥さん自身が羽づくろいで筆毛の鞘を取り除くのを待ちましょう。飼い主さんが無理に鞘をむしろうとすると、痛みを与えたり、まだ成長途中の羽を傷つけたりする可能性があります。
- 例外として、筆毛が十分に成長し(根元の血管がなくなり白っぽく乾燥している状態)、鳥さんが気持ちよさそうに頭などを差し出してくる場合に限り、指先で優しく鞘をほぐしてあげることは可能です。しかし、少しでも嫌がったらすぐにやめましょう。
- 万が一、血管が通っている筆毛(Blood Feather)が折れて出血した場合は、清潔なガーゼで圧迫止血を試み、止まらない場合や量が多い場合は、すぐに動物病院を受診してください。
- 「見守る」= よく観察すること です。「そっと見守る」というのは、放っておくことではありません。日々の観察は非常に重要です。換羽がスムーズに進んでいるか、食欲や元気はどうか、体重は減っていないか(換羽期は体重が減少しやすいので注意)など、愛鳥の様子を注意深く見守りましょう。


アンケートでも、愛鳥さんをしっかり見守りながら、気持ちやペースを尊重するという意見がありました。
飼い主さん:muginkoharu
①換羽中の気になった変化:
文鳥を飼っています。
換羽期ではない時に比べてキュルキュルと怒りっぽくなったり、ゆっくり撫でさせて貰えなくなる。
②換羽中のケア:
なるべくその子の気の向くまま過ごさせてあげて遠くから見守る。
いつもよりご飯を食べているかいないかをチェックする。
向こうから寄ってきてくれたり呼ばれたりするまでは無理にスキンシップをせず見守る。




飼い主さん:kyoro_1267
①換羽中の気になった変化:
ふだんより活動的でない。
寝ている時間が多く夜いつもより早く寝たいという。
手の中に入って来てもツクツクを触られるのは嫌うので、しずかになでなで。
②換羽中のケア:
ネクトンBiotinをお水に入れている。
ごはんにカナリーシードなどをすこし増やしてあげている。
放鳥はいつもどおり。
私が居るとき=放鳥。
あまり構わないで好きにさせている。
特に夜寝るときの温度は高めにする(うちは一羽なので、冬はカバーの上に電気毛布をかけているのですが,温度を高めにする)。




ちょっと待って!それ、本当に換羽?病気との見分け方


羽がたくさん抜けると、「もしかして病気?」と心配になることもありますよね。
ここでは、正常な換羽と注意すべき病気のサインの見分け方について解説します。


換羽は生理現象ですが、体調を崩すきっかけになったり、他の病気が隠れていたりすることもあるため、注意が必要です。
こんな症状は要注意!病院へ行くべきサイン
以下のような状態が見られたら、単なる換羽ではない可能性も考え、獣医師への相談を検討してください。
- 換羽をきっかけとした体調不良: 換羽が始まってから、食欲が落ちたり、元気がなくなったり、体重が減ったりする。
- 異常に長引く換羽: 明確な終わりがなく、何ヶ月もだらだらと羽が抜け続ける。「換羽が来ない」というのも異常サインです。
- 換羽不全・羽毛異常: 新しい羽が正常に生え揃わない。生えてきてもすぐに折れたり、縮れたり、変形したり、色がおかしい(質が悪い)。
- 明らかな禿げ: 広範囲にわたって地肌が露出し、新しい羽が生えてこない。(※メスが抱卵期に見せるお腹の脱毛「抱卵斑」は正常です)
- ストレスライン: 羽に横方向の線や、もろくなっている箇所が見られる(羽の成長期に栄養不足やストレスがあったサイン)。
- 一度に大量の羽が抜ける: 通常の換羽とは違う、急激で大量の羽毛損失。
- 皮膚の異常: 禿げた部分の皮膚が赤い、腫れている、かさぶたがある、フケが多い、できものがある。
- 他の病気の兆候: 羽の問題だけでなく、元気がない(単なる眠気ではなく、明らかにぐったりしている)、食欲がない、体重が減っている、下痢や軟便、くしゃみや鼻水、開口呼吸などの呼吸器症状、嘔吐などが見られる場合。
換羽と間違えやすい鳥の病気(PBFDなど)


羽毛の異常や換羽トラブルの背景には、以下のような病気が隠れている可能性もあります。
- 毛引き症(自咬症): 鳥さん自身が自分の羽を意図的に引き抜いたり、噛み砕いたりする異常行動。ストレス、退屈、皮膚病、栄養不良、内臓疾患など原因は様々。換羽が全身で比較的均等に起こるのに対し、毛引き症は鳥さんが自分で届く範囲(胸、脇、足、背中など)の羽を集中的にむしることが多いのが特徴です(頭は無事なことが多い)。抜け落ちた羽も、噛まれた跡があったり、折れていたりします。
- 甲状腺機能低下症: 特にセキセイインコ、コザクラインコに多く見られると言われています。主な原因はヨード不足による甲状腺ホルモンの分泌低下で、換羽が正常に行われなくなったり(換羽不全:換羽が来ない、だらだら続く)、質の悪い羽毛が生えたり、羽が抜けたりします。
- 栄養性羽毛形成不全: タンパク質やアミノ酸などが不足すると、その後の換羽で生えてくる羽毛の変色など、異常が見られることがあります。
- PBFD(オウム類嘴・羽毛病): ウイルス性の病気で、羽毛の異常(変形、脱落、出血など)や嘴の異常を引き起こします。体力や免疫力が落ちやすい換羽期に発症するケースも少なくありません。
- 感染症: 皮膚などの細菌・真菌(カビ)感染、外部寄生虫(ダニなど)も羽毛の問題を引き起こします。
- 肝臓疾患など内臓の病気: 体内の不調が羽毛の色や質に変化として現れることがあります。
- 文鳥の顔周りの羽が薄くなる問題: 文鳥を飼っている方は、顔の周り(特に目の周りや額など)の羽が薄くなる症状に気づくことがあるかもしれません。これは通常の換羽による一時的な薄さとは異なり、一度薄くなるとなかなか元に戻りにくいという特徴があります。専門家によると、この症状は甲状腺ホルモンの治療などを行っても改善が難しい場合が多く、明確な原因はまだよく分かっていないのが現状で、今後の研究が待たれる分野とのことです。通常の換羽や他の病気とは区別して考える必要がある、文鳥特有の現象として認識しておくと良いでしょう。
不安なときは迷わず動物病院へ相談を
上記のような異常なサインが見られる場合や、「いつもと何か違うな」と感じる場合は、自己判断せずに、できるだけ早く鳥の診療に詳しい動物病院(「鳥専門」「エキゾチックアニマル診療可」などを標榜している病院が良いでしょう)を受診してください。
換羽のトラブルは、背景に様々な原因が考えられるため、専門家による正確な診断が不可欠です。
鳥さんは体の不調を隠すのが上手な動物です。
早期発見・早期治療が、愛鳥の健康を守るためには非常に重要です。


抜け落ちた愛鳥さんの羽根、どうしてる?記念に残すアイデア
換羽期には、たくさんの羽根が抜け落ちます。
中には、色鮮やかでとても綺麗な羽根もありますよね。
皆さんは、愛鳥さんの抜け落ちた羽根をどうされていますか?
「記念に取っておいている」という方も多いのではないでしょうか。


そんな、愛鳥さんが残してくれた大切な羽根を、「世界で一つの特別な形」にしてくれる素敵なサービスがあります。
それが、『ふわり羽根工房』さんです。
『ふわり羽根工房』さんでは、飼い主さんが送った愛鳥さんの実際の抜け羽根を使って、オーダーメイドでアクセサリーやキーホルダーなどを制作されています。
UVレジンなどで羽根の美しさをそのまま閉じ込めた、ピアス・イヤリング、ネックレス、キーホルダー、さらにはお守りやサンキャッチャーなど、様々なアイテムを作られています。


我が家でも、愛鳥の文鳥ラムネくんの羽根を素敵なイヤリングにしていただいたんですよ。




「愛鳥さんとのつながりを感じ続けられる大切な形見として」「ご自身や日常を彩るアイテムとして」、羽根の美しさを最大限に引き出し、飼い主さん一人ひとりの想いに寄り添って、愛鳥家の皆さんに幸せと温もりを届けたい、というコンセプトで活動されています。


換羽で抜け落ちた一枚の羽根も、こうして特別な記念品として生まれ変わらせることができるんです。
ご興味のある方は、ぜひ『ふわり羽根工房』さんのサイトを訪れてみてはいかがでしょうか。
Instagramはこちら
ショップ本店はこちら


まとめ:換羽を正しく理解して、愛鳥のデリケートな時期を優しくサポートしよう!




鳥さんの換羽は、健康な体を維持するために必要な、自然で大切なプロセスです。
ヒナが大人になるための「雛換羽」も、成鳥になってからの定期的な「成鳥換羽」も、どちらも愛鳥の成長と健康に欠かせません。
- 換羽は自然なことだが、体には負担がかかる時期。 エネルギー消費増、体重低下、免疫力低下なども起こりうるため、油断は禁物。
- 換羽のサイン(抜け羽、筆毛、行動の変化、一時的な多尿など) を知っておきましょう。
- 飼育環境(温度、湿度、日照時間、発情なども影響) で換羽パターンは異なります。飼育下ではサイクルが乱れやすい点も理解しましょう。
- 栄養満点の食事(特に高タンパク、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル) と ストレスの少ない快適な環境 でサポートしましょう。栄養不足は体調不良に直結します。
- 筆毛はデリケート。 優しく見守り、無理に触らないようにしましょう。
- 日々の観察を怠らず、「いつもと違う」異常なサイン(長引く換羽、羽毛異常、体重減少、体調不良など) に気づいたら、迷わず獣医師に相談しましょう。換羽不全の背景には甲状腺や栄養の問題、感染症などが隠れていることもあります。文鳥の顔周りの羽が薄くなる問題のように、原因不明なケースもあります。
換羽期は、鳥さんにとっては少し大変な時期かもしれませんが、飼い主さんが換羽について正しく理解し、適切なケアをしてあげることで、必ず乗り越えられます。
日頃から鳥さんの様子をよく観察し、変化に気づき、愛情を持って接することが何よりも大切です。
この記事が、あなたの愛鳥との健やかで楽しい毎日に役立つことを願っています。


飼い主さん:ikurako8
①換羽中の気になった変化:
フンが水っぽくなり、下痢かと思って動物病院に行ったら、換羽中はそういうことありますと言われました。
②換羽中のケア:
特にいつもと変わらずです。


飼い主さん:h.kaboom
①換羽中の気になった変化:
尾羽がぬけると大きくてびっくりした。
本人は羽で遊んでおり変化はなかったが、わたしたちが驚いて心配してしまった。
②換羽中のケア:
栄養補助なフードをあげたり、ふだんより放鳥をながくした。


飼い主さん:panda.to.pichan
①換羽中の気になった変化:
見た目はボロボロでも食欲増し増しご機嫌斜めです。
②換羽中のケア:
放鳥中 鳥さんから寄ってくるまでそっと見守ります。
ペレットなので特に栄養補助したことはありません。


飼い主さん:cc.aki
①換羽中の気になった変化:
脂粉が多くてイライラしてる感じがします。
②換羽中のケア:
食欲があるのでいつもより食べさせています。
ペレットだけでは食べてくれないのでシードもあげています。
以前からケージに吊るしていたイカの甲は、まったく興味無しでしたが換羽期になってから食べるようになった気がします。
飼い主さん:gon.3481
①換羽中の気になった変化:
尾羽が全部抜けて飛ぶのが大変そうだった。
方向転換が特に難しく、イライラして、色々な物に八つ当たり😭まるで思春期の子でした。
②換羽中のケア:
病院から処方されたビタミン液を飲み水に加えて与えていました。
飼い主さん:pnpm___77
①換羽中の気になった変化:
換羽中は普段よりも体力を使うからか眠そう、のんびりしていることが多い気がします。
しばらくすると筆毛が増えて、ペアのウロコインコはほぐしたりカキカキしてあげていました。
②換羽中のケア:
ハイポテンシーなどの高タンパクなペレットをあげる、早めの就寝を心がける、冬場であれば保温をしっかりしていました。

