『飼い鳥さんには日光浴が必要!』と聞いたんですが、鳥さんに日光浴って本当に必要なんですか?
飼い鳥さんには日光浴が必要です。
飼い鳥さんに『日光浴が必要な理由』『やってはいけない日光浴のやり方』『日光浴ができないときは?』『日光浴にかける時間と頻度』などの項目にわけて、分かりやすく解説をしますね。
今回の記事を制作するにあたって、YouTube『鳥くさいちゃんねる』のファンクラブ【tori-tomo】のメンバーのみなさまに、愛鳥さんの日光浴画像をご提供いただきました。
ご協力ありがとうございました❗
目次
日光浴が必要な理由
鳥さんにとって『日光浴が必要な理由』を3つ挙げて、解説をしますね。
①ビタミンD(D3)を摂取するため
『鳥さんに日光浴が必要な理由』1つ目は・・・『ビタミンDを摂取するため』。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を良くする働きがあります。
カルシウムは、鳥さんの骨格を健康的に形成させるためには欠かせない栄養素なんですが、同時に吸収率が良くない栄養素でもあるんです。
ビタミンDって、食事で摂取することができますよね?
私たち人間は、ビタミンDを主に魚介類、そして卵や乳製品などからも摂取することができますが、鳥さんたちはそうはいきません。
鳥さんの主食としても挙げられる、ヒエ・アワ・キビなどのシード食では、ビタミンDは摂取することができません。
じゃ、ペレットはどうですか?
健康的な骨格を形成させるためにも、愛鳥さんには日光浴をさせてあげましょう。
②体内時計をリセットさせるため
『鳥さんに日光浴が必要な理由』2つ目は・・・『体内時計をリセットさせるため』です。
野生下の鳥さんたちは、朝日が昇るのとともに活動を始めて、太陽が沈むと身体を休めることができます。
つまり、野鳥さんたちは生活リズム・体内時計が自然と整います。
しかし、飼い鳥さんの場合は、飼い主さんの生活リズムに準じて暮らすことになるので、体内時計が狂って、ストレスに対しての抵抗力が弱くなったり、免疫力が低下する恐れもあります。
愛鳥さんには、できるだけ午前中のうちに日光浴をさせて、体内時計をリセットしてあげましょう。
③気持ちを安定させるため
『鳥さんに日光浴が必要な理由』最後3つ目は・・・『気持ちを安定させるため』です。
人間と同様で鳥さんも日光浴をすることで、通称幸せホルモンとも呼ばれる脳内の神経伝達物質『セロトニン』を増やすことができます。
セロトニンが増えて気持ちが安定することで、毛引きや噛み癖などの問題行動が緩和されることが期待できるかもしれません。
やってはいけない日光浴のやり方
飼い鳥さんには日光浴が必要なんですね。
でも、鳥さんの日光浴ってどのようにすればいいのかしら。
では、飼い鳥さんの日光浴のやり方について、『やってはいけない鳥さんの日光浴のやり方』という側面から、4つのケースを挙げてそれぞれ解説をしますね。
①完全放置な日光浴
『やってはいけない日光浴のやり方』1つ目は・・・『完全放置な日光浴』。
日光浴をおこなう場所として一番おすすめなのは、やはり屋外です。
お家のお庭であったり、マンションなどの集合住宅であればベランダなど。
屋外は野鳥さんと同じように、とても自然な日光浴ができる環境ではあります。
しかし、鳥さんは他の動物から襲われて食べられてしまう、いわゆる捕食される側の動物であるということを忘れてはいけません。
ネコやヘビ、カラス、トンビなどが、庭やベランダで日光浴をしている愛鳥さんを狙って、襲いかかってくる危険性は十分にあります。
狙いを定めたらケージ越しでも容赦なく攻撃をしてくるでしょうし、怪我をする可能性もあります。
また、ケージが倒された拍子に底の部分と網の部分が外れてしまって、愛鳥さんが逃げてしまう・・・いわゆるロストしてしまうことにもなりかねません。
そのような万が一のことを考えて、ケージの扉部分に『ナスカン』を取り付けたり、通称『守りひも』と呼ばれるケージ全体をゴムひもでくるっと巻いて、底の部分と網の部分が外れるという事故を防ぐアイテムなども活用してみてください。
屋外での日光浴中は、必ずあなたがそばにいてケージの中の愛鳥さんを見守ってあげましょう。
もうひとつ注意点を。
鳥さんによっては、屋外の日光浴を全力で嫌がる子もいます。
これは、先程も触れた『鳥さんは捕食される側の動物』であることが関係しています。
鳥類の長い長い歴史のなかで、いつなんどき外敵に襲われてしまうのではないか?と本能的な恐怖心が植え付けられています。
屋外に出しただけでパニックになってしまったり、ずっと落ち着かずストレスを感じているようでしたら、無理に屋外での日光浴はおこなわず、この記事の後半でも紹介をしますが、屋内で日光浴をおこなうようにしましょう。
②真夏の日光浴
『やってはいけない日光浴のやり方』2つ目は・・・『真夏の日光浴』です。
真夏の炎天下での日光浴は、愛鳥さんが熱中症におちいる危険性があります。
暑い季節の日光浴は、せめて午前中の比較的涼しい時間帯におこないましょう。
また、長時間直射日光に当たってしまわないように、ケージの上にタオルやダンボールなどを掛けて、愛鳥さんが暑いと感じたときに自分で避難ができる日陰の場所を必ずつくってあげましょう。
【tori-tomo】のメンバーさんからも、直射日光について気をつけている点を教えていただきました。
③真冬の日光浴
『やってはいけない日光浴のやり方』3つ目は・・・『真冬の日光浴』です。
バードライフが長い方には常識かもしれませんが、野鳥さんたちと違って、飼育用に繁殖されたいわゆる飼い鳥さんたちは、冬の寒さに弱い個体が多いです。
体を冷やしてしまうことで体調を崩してしまったり、免疫力が落ちて感染症を発症する危険性もあります。
私たち人間と同じですね。
このように真冬の屋外での日光浴はおすすめできませんが、寒い季節にどうしても・・・・
ということであれば、せめて快晴で日中の暖かい時間帯にほんのわずかな時間でおこなってくださいね。
④ヒナ・老鳥・病鳥の日光浴
『やってはいけない日光浴のやり方』4つ目は・・・『ヒナ・老鳥・病鳥の日光浴』です。
鳥さんのヒナはまだ体温調節がうまくできないですし、高齢の鳥さん、いわゆる老鳥さんは暑さや寒さを感じ取る能力が鈍っていることがあります。
また、病気の鳥さん、病鳥は体温が下がっているケースが多く、ケージ周りを30℃前後で保温をしてあげる必要があります。
体調を崩している鳥さんには、少なくとも屋外での日光浴はさせないようにしましょう。
日光浴ができないときは?
日光浴をおこなうためのお庭がなかったり、ベランダが狭かったり、梅雨時など雨が続く時期。
屋外での日光浴が難しい場合もありますよね。
そこで提案したいのが・・・屋内での日光浴。
晴れた空のした、燦々(さんさん)と降り注ぐ太陽の光を浴びることだけが唯一の日光浴の方法・・・ではないんです!
屋外での日光浴が難しい場合は、屋内の太陽の光が差し込む場所にケージを置いて、日光浴をおこないましょう。
ただし、重要な注意点もあります。
屋内での日光浴は、『窓ガラスを開ける』もしくは『網戸越し』におこなってください。
ガラス越しだと、太陽光に含まれる紫外線がカットされてしまい、【日光浴が必要な理由】でもお伝えしたビタミンDを体内で合成させるという日光浴の最大のメリットを受けることができません。
でも・・・真冬や雨の日などに窓ガラスを開けたり、網戸越しでおこなう日光浴は私たち飼い主にとっても少々厳しいような気もします。
そんなときには、紫外線ライトがおすすめです。
ペットフードや飼育用品で有名な株式会社マルカンさんのブランド『minimal LAND』から販売されているこちらの『小鳥の日光浴ライト』は、照射される紫外線が、鳥さんにとって最適な波長に調整されているので安心です。
我が家は集合マンションのため、庭がなくベランダも狭いので、基本はこちらの紫外線ライト『小鳥の日光浴ライト』で日常的に屋内日光浴をおこなっています。
ただ、このような紫外線ライトを用いる場合、鳥さんに光を当てる適切な距離については、あまりにも近距離は良くないということしかわかっていません。
ちなみに、この『小鳥の日光浴ライト』においては「15〜30センチ離して照射してください」とアナウンスされています。
我が家でも、そのときどきのケージ内の鳥さんの位置によっても異なりますが、だいたい15センチ〜40センチくらいの距離で光が当たるように設置しています。
紫外線ライトは、どの方向から当てても良いのでしょうか?
紫外線ライトは横から当ててしまうと、鳥さんの目に直接紫外線が当たって、目を痛めてしまったり、白内障を発症・促進させてしまう危険性が高まりますので、必ず上から当てるようにしましょう。
とくに赤目の鳥さんは、紫外線をバリアするメラニンが網膜にないため、さらに危険性は高いです。
また、似たような紫外線ライトで爬虫類用のものも販売されていますが、そちらは照射される紫外線の波長があくまで爬虫類に対して最適化されています。
鳥さんにとっては逆に健康を害する危険性がありますので、パッケージにしっかりと『鳥さん用』であることが明記されている紫外線ライトを購入してくださいね。
日光浴にかける時間と頻度
我が家でも鳥さんたちに日光浴させてあげます!
ちなみに、日光浴にはどれくらいの時間をかけて、どれくらいの頻度でおこなえば良いのでしょうか?
結論から言うと・・・時間や頻度に関しては、はっきりとした正解はわかっていないのが現状なんです。
一回の日光浴にかける時間は『30分くらい』という意見もあれば『10分〜15分』や『2時間くらい』、あるいは野生の鳥さんはいつも屋外なんだから、『できるだけ長時間』という意見も。
また、頻度についても『毎日』という意見もあれば、『週に1回〜2回』という意見もあります。
飼育書によって、獣医師によって、時間と頻度に関しての意見はさまざまです。
これはおそらく、日光浴にかける時間と頻度によって受ける効果というのが、鳥さんによって個体差があったり、屋外なのか屋内なのか、季節ごとの紫外線の強さなどによって左右されるから、なんだと思います。
ちなみに我が家では、紫外線ライトを使用して、時間は30分、週に3回〜4回の日光浴をおこなっています。
愛鳥さんの様子を観察しながら、またご自身の生活との兼ね合いもあるでしょうから無理のない範囲で、あなたもぜひ愛鳥さんの日光浴を習慣化してみてください。
おわりに
いままでなんとなく、気が向いたときに自分なりのやり方で、愛鳥さんの日光浴をおこなっていた方や今回の記事で『鳥さんに日光浴が必要なんだ!』と初めて知った方もいらっしゃるでしょう。
鳥さんの日光浴に関しては、未だメリットとデメリットともに不明な点も多いようです。
しかし、ひとつ言えることは、鳥さんにとって日光浴は、今回挙げた注意点に気をつけておこないさえすれば心身ともに健康を促進させる効果があるということ。
日光浴が必要な理由や日光浴の正しいやり方、注意点を理解した上で、あなたもぜひ愛鳥さんの日光浴をおこなってみてくださいね。
あなたのバードライフを応援させてくださいね。
『鳥くさいどっとこむ』かたやまひとしでした。