
バードライフアドバイザーのかたやまひとしです。
鳥さんが冬の寒さに弱いというのは、鳥飼いさんの間でもよく知られていることですが、実は夏の暑さにも注意をしてあげる必要があります。今回は、夏における鳥さんの温度管理と熱中症対策について解説しますね。

鳥さんは寒さに弱いというイメージが強いため、夏の暑さにはそれほど気を使っていない飼い主さんもいるかもしれません。
たしかに、鳥さんは原産国の気候が温暖な地域であることが多く、暑さに比較的強い個体が多いですが、湿度も高い日本においては必ずしもそうとは限りません。サザナミインコのように涼しい山岳地帯が原産のため、寒さに強く暑さに弱い鳥さんもいます。

鳥さんが快適に暮らすことができる室内の適温は、年齢や健康状態によって異なります。
幼鳥(1歳未満)および老鳥 | 25℃〜30℃ |
健康な成鳥 | 20℃〜27℃ |
病気を患っている鳥 | 28℃〜30℃ |
(※上記はあくまで目安です。個体差もありますし、神経質になりすぎる必要はありません。)
また、湿度は60%以上にならないように調節するのが望ましいです。
季節問わず室内の温度や湿度はいつでもチェック出来るように、温度計(温湿度計)はケージの近くに設置しましょう。

鳥さんも人間と同じように熱中症(熱射病)のような症状に陥ることがあります。鳥さんが口をパクパクさせて苦しそうに呼吸をしていたり、翼を広げるしぐさを繰り返したり(体温調節をしようとしている)、ふらふらしたり。。。そんなしぐさは要注意のサインです。さらに悪化すると脱水症状や虚脱症状に陥り、痙攣を引き起こしたり脳へのダメージも。最悪の結果を迎える危険性もあります。
もし、上記のような熱中症と思われる症状に陥ったら、まずは室内の温度を下げましょう。
また、常温の水もしくは経口補水液を飲ませてください。
経口補水液がすぐに手に入らない場合は、ポカリスウェットで代用が可能です。
近場にかかりつけの動物病院がある場合は、すみやかに診てもらうのも良いでしょう。しかしながら、熱中症を発症した状態では暑い季節であれば外へ連れ出すのは大変危険です。症状が少し落ち着いてから、もしくは陽が落ちてから(キャリーケージの保冷対策をした上で)外出しましょう。
ひとし

夏場は人間の外出時も含め、エアコンの除湿(ドライ)運転や微風の冷房で室温をコントロールすることをおすすめします。
また、エアコンと扇風機を併用して室温調節するのも良いでしょう。
ただし、冷風は直接ケージに当てないようにケージの位置を調整するか、冷風の当たる面にタオルなどを掛けましょう。冷風が鳥さんの身体に直接当たることで、体調を崩す危険性があります。
ひとし

ひとし

タオルなどで巻いた保冷剤をケージの上に設置し、周辺の温度を下げる効果があります。メリットとしては冷えすぎないこと、デメリットとしては効果が持続する時間が短いということです。

部屋の窓を2箇所以上開けて、風通しを良くすることで室温を下げるのも良いでしょう。ただし、鳥さんが窓から外に出ていってしまわないように念の為ナスカンなどをケージの扉に掛けるなど最善の注意を払いましょう。

温度も湿度も非常に高くなる日本の夏、愛鳥さんが少しでも快適で安全に過ごせるように、室温と湿度のチェックはこまめにおこなって、大切な鳥さんを熱中症にさせないように気をつけてくださいね。
今回の記事は、YouTubeでも解説しております。
ぜひ、ご覧になってくださいね。
あなたと愛鳥さんのバードライフがより良いものとなりますように!それでは、また。バードライフアドバイザーのかたやまひとしでした。