セキセイインコを飼っているのですが、体重って毎日はかったほうが良いんでしょうか?体重のはかり方やセキセイインコの平均体重なども知りたいです。
バードライフアドバイザーのかたやまひとしです。
今回は、ぜひ飼い主さんに習慣化してほしいインコなど鳥さんの体重管理について『毎日体重をはかる必要性』『平均体重』『体重のはかり方』『記録の付け方』という項目を解説させて頂きます。
目次
鳥の体重をはかる必要性
あなたは愛鳥さんの健康的な体重を把握していますか?
毎日、愛鳥さんの体重をはかって記録を残していますか?
すこし面倒かもしれませんが、毎日の体重管理(チェック)によって、あなたの大切な愛鳥さんの健康を守ることができますよ。
私たちが生活を共にしている飼い鳥は、自分で餌を探さなくても毎日シードなりペレットなりの食事が飼い主によって用意されています。
これは鳥にとっては、労せずして食にありつけることができ、餓死の心配もないため一見とても幸せな環境のように思われます。
しかし、普段から自然の中でたくましく飛び回り、採食行動を続けなければ生きていくことができない野生の鳥と異なり、飼い鳥の運動量は著しく少ないのです。
運動量が少ないのに食事に制限がなくいつもお腹いっぱい食べていれば・・・私たち人間と同様で鳥も肥満になります。
肥満な状態は、もちろん健康に害をおよぼします。
動脈硬化・心疾患・肝疾患などの原因となります。
また、毎日体重をはかって記録をつけることで、日々の体重の推移を確認することができます。
急激な体重増加は腫瘍、腹水、またメスの場合は抱卵の可能性もあります。
逆に急激な体重減少は何らかの疾患、感染症、中毒の可能性もあります。
日に日に体重がゆるやかでも増減を続けていたり、急激に増減している場合はただちに鳥の診察が可能な(できれば鳥専門)動物病院で診察を受けましょう。
短期間でいつもの体重(適正体重)より20%減少しているようでしたら、すみやかにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
平均体重の目安
主な飼い鳥の平均体重の目安は以下のとおりです。
キンカチョウ | 10〜15g |
文鳥 | 23〜28g |
マメルリハインコ | 28〜32g |
セキセイインコ | 35〜45g |
ボタンインコ | 45〜50g |
サザナミインコ | 45〜55g |
コザクラインコ | 50〜55g |
ウロコインコ類 | 65〜75g |
オカメインコ | 85〜110g |
オキナインコ | 100〜125g |
シロハラインコ | 115〜135g |
オトメズグロインコ | 160〜230g |
モモイロインコ | 330〜430g |
ヨウム | 380〜460g |
タイハクオウム | 530〜750g |
ルリコンゴウインコ | 900〜1300g |
上記の数値はあくまで目安であり、この範囲内であっても範囲外だとしても、愛鳥さんにとっての健康的な適正体重ではないかもしれません。
その子にとっての健康的な体重は、骨格などによっても異なります。
動物病院にて獣医師に触診をしてもらい、現在の体重が健康的な範囲であるのか、太り過ぎなのか痩せすぎなのかを確認してもらいましょう。
鳥の体重のはかり方
鳥の体重をはかるにはキッチンスケールを使いましょう。
とくに小型の鳥には『0.1g』単位で計測ができるスケールをおすすめします。
はかり方①:直接乗せて
キッチンスケールの上に普段食べている餌やおやつなどを乗せることで、体重計に直接乗ることが出来る子もいます。
一番シンプルで理想的なはかり方です。
キッチンスケールを怖がってしまう子には、「ここに乗ると良いことがあるよ。キッチンスケールは怖くないんだよ」ということをゆっくりと時間をかけてでも良いので教えてあげます。
いわゆるクリッカートレーニングが効果的です。
はかり方②:止まり木(パーチ)に乗せて
止まり木に乗ることを怖がる鳥は少ないため、負担をかけず自然なかたちで体重をはかることができます。
もし、新しい止まり木などで(怖がってしまって)なかなか乗ってくれないときは、止まり木に乗ってくれたらおやつを与えるなどして、「止まり木に乗ると良いことが起こるよ」ということを鳥に覚えてもらいましょう。
やはりここでも、クリッカートレーニングが効果的です。
はかり方③:キャリーケージに入れて
上記のいずれの方法も難しいようであれば、キャリーケージの中に入ってもらって体重計に乗せましょう。
ただ、キャリーケージに入るのも苦手な鳥は、直接飼い主が手で捕まえてキャリーケージの中に入れますが、無理やり捕まえることで鳥に嫌われてしまう可能性もあるので要注意です。
クリッカートレーニングで「キャリーケージは怖くないよ」と教えてあげましょう。
記録を付けよう
毎日記録を残しましょう
飼い主さんの負担にならない方法で、手書きでもExcel(僕はGoogleスプレッドシートを利用しています)でもオッケーです。毎日、体重の記録を残しましょう。
我が家では朝と夜、1日2回体重をはかりその体重差もチェックしていますが、忙しくて難しいという飼い主さんは朝のみの体重測定をおすすめします。
朝は空腹状態に近く、鳥の基準となる体重になるからです。
毎朝の体重の推移を気にするようにしましょう。
変化量が多いときは体調が何かしら変化している可能性もあります。
鳥を注意深く観察し、少しでも具合が悪そうだったらかかりつけの動物病院へ連れていきましょう。
僕は動物病院での診察の際、日々の体重の推移の記録を資料として持参しています。獣医師に確認してもらうのも診断や治療の参考になると思いますよ。
人間と鳥は会話をすることは出来ませんが、健康状態の変化をハッキリ数字として確認ができる毎日の体重管理は、愛鳥さんと会話ができる唯一の手段だと僕は思っています。
ぜひ、毎日の体重チェックを習慣化してみてくださいね。
あなたと愛鳥さんのバードライフがより良いものとなりますように!それでは、また。バードライフアドバイザーのかたやまひとしでした。
(※今回の内容はYouTube『鳥くさいちゃんねる』でも配信しております)