『コザクラインコ』を1羽飼いしているんですが、この子にもそろそろお友達が必要なのかな?と思って、新たにもう1羽『コザクラインコ』をお迎えしようかな、と考えています。
でも、2羽が仲良くなってくれるかどうか、心配です・・・
2羽目をお迎えするときの注意点などはありますか?
我が家のバードライフも、白文鳥1羽をお迎えしたところから始まりました。
2羽目、3羽目・・・と新しく鳥さんをお迎えするたびに、毎回気をつけていることもあります。
多頭飼いを始めるにあたって、多くの飼い主さんが不安に感じている『3つの心配ごと』について、注意点や解決策を提案させていただきますね。
目次
『鳥の多頭飼い』3つの心配ごと。
1つ目は『鳥さん同士でケンカをしないか心配』です。
2羽目の鳥さんをお迎えしようかな・・・
と、検討されている鳥飼いさんたちの多くは、『鳥さん同士が仲良く寄り添う光景を眺めてみたい』『お友達やパートナーが必要かも・・・』という理由で、お迎えを考えてらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、実際に2羽目をお迎えするにあたって、『鳥さん同士が仲良くなれるのか』『ケンカをしないか』という心配をされてらっしゃる飼い主さんは非常に多いです。
結論から言うと・・・
『お迎えしてみないと、相性の善し悪しは分からない』というのが僕からの回答です。
実際、僕も白文鳥のチロルちゃんをお迎えしたあと、一羽だと寂しいかな?お友達がほしいかな?と考えて、桜文鳥のラムネくんをお迎えしました。
結果、仲良しになれたか?というと・・・残念ながらそうではありませんでした。
文鳥さんは、相手のことを好きになるか嫌いになるか、その線引きがはっきりした性格の子が多い鳥種であるということもありますが、とくに先住のチロルちゃんは、ラムネくんを友達としては認めてくれませんでした。
もちろん、パートナー関係も成り立ちませんでした。
ラムネくんは、毎日のようにチロルちゃんに求愛のアピールをしていたのですが・・・
ぼく、がんばってアピールしてたんだけどなぁ・・・
ね、ラムネくんの片想いに終わっちゃったよね。
鳥さん同士の相性に関してはやはり『お迎えしてみないと分からない』というのが実際のところです。
また、お迎えをして、最初はとくにケンカもなく、関係も良好だったのに、何かのきっかけで関係が悪化することもあります。
もちろん、その逆もあって、最初はそれほど仲良くなかったのに、いつのまにか、いっしょにくっついて行動しちゃうほど仲良くなったり、同じ鳥種同士のオス・メスであれば、つがい、パートナー関係に発展したり。
お迎えしてみてどうやら鳥さん同士の相性が良くなさそうだな・・・となったときには、シンプルに『放鳥を別々におこなう』ことをおすすめします。
『お互いに興味が無い』とか、『威嚇はし合うけど、攻撃するほどではない』というくらいの関係であれば、同時放鳥をしても問題はないと思います。
ただ、放鳥中、ずっと一方が、もしくはお互いに追いかけ回していたり、くちばしで直接的に相手の脚などを突付く、噛み付く、というような一歩間違えば怪我をさせてしまう危険性のある仲の悪さであれば、放鳥タイムを別々にずらしておこなうことが望ましいです。
もしも、仲良しにならなかったとしても、鳥さんそれぞれの個性として受け止めてあげてくださいね。
鳥さんは、環境の変化にとても敏感な動物です。
新しい鳥さんをお迎えした際には、いきなり先住の鳥さんといっしょに放鳥させるのではなく、お迎えしてしばらくは、それぞれのケージ越しにお互いの存在を認識させ合う、というように徐々に徐々に距離を近づけて慣らすようにしてみてくださいね。
『鳥の多頭飼い』3つの心配ごと。
2つ目は『飼い主になつかなくなるのでは?』という心配。
1羽飼いの場合、鳥さんは飼い主のあなたをパートナー、もしくはお気に入りの群れの仲間だと認識して、ベタ慣れ状態、つまりラブラブな関係になることがあります。
とくに、別名『ラブバード』とも呼ばれている「コザクラインコ」さんや「ボタンインコ」さんなどは、一羽飼いだと飼い主さんに深い愛情を注いでくれるというケースが非常に多いようです。
そのような一羽飼いで、飼い主さんにベタ慣れ状態という関係性ができている場合、新しく別の鳥さんをお迎えしてしまうと、先住の鳥さんと新しくお迎えした鳥さん同士が仲良くなって、いままで飼い主さんしか目に入らなかったのに、その関係性が一転、飼い主さんよりも新しくお迎えした鳥さんとイチャイチャするようになるケースがあります。
つまり、『相性が悪かった場合』の真逆、『相性が良かった場合』に起こるかもしれない心配ごとが『飼い主になつかなくなるのでは?』というものです。
ちょっぴり切ないですよね・・・
また、鳥さんは私たち人間と同じように『嫉妬』もします。
新しくお迎えした鳥さんが、まだ挿し餌が必要な雛鳥や幼鳥であった場合は特になんですが・・・
どうしても新しくお迎えした鳥さんのお世話に比重が多く傾いてしまいます。
挿し餌は、一日に何度も必要ですし、お迎えした鳥さんに新しい環境である飼い主のおうちに慣れてもらうように、気にかけてたくさん声をかけたり、と。
どうしても新しくお迎えした鳥さんとの接触時間、コミュニケーションの頻度が、先住の鳥さんよりも増えてしまいます。
そのような飼い主さんと新しくお迎えした鳥さんの関係を、先住の鳥さんはよく観察しています。
自分だけ、仲間はずれにされたような感覚になるのでしょう。
嫉妬心が芽生えてしまいます。
鳥さんは嫉妬心などの精神的なストレスを抱えてしまうと、自らの羽根を自ら抜いてしまうという行動、いわゆる『毛引き』をすることで、ストレスを解消しようと試みることがあります。
『毛引き』は、癖になっちゃうこともあるんすよ!
エスカレートすると、皮膚までも傷つけるようにもなりますので、ご注意ください。
とは言っても、新しくお迎えした鳥さんに必要なお世話の時間を削るわけにはいきません。
せめて、気持ちや注ぐ愛情は先住の鳥さんも、新しくお迎えした鳥さんも平等に。
『あなたのことは、これからもずっと大好きだよ』という気持ちを、行動を伴って伝えるためにも、鳥さんのお世話をする際には『先住の鳥さんを優先』すると良いでしょう。
具体的には、朝のケージカバーを開ける順番や、ケージ掃除、水と餌の交換、放鳥時にケージから出す順番などを、先住の鳥さんを優先させることで、『嫉妬心』や『やきもち』の感情を少しでも和らげることができるかもしれません。
鳥さんは、本当に賢い生き物です。
私たち飼い主の行動をとてもよく観察しています。
もしかしたら・・・
いつもいっしょに過ごしている人間であれば、喜怒哀楽の微妙な変化も察知しているかもしれませんよ。
僕は約10年間のバードライフのなかで、言葉は通じなくても、鳥さんが僕の気持ちに寄り添ってきてくれているな、僕への接し方が今日はなんだか違うな、と感じることが多々あります。
多頭飼いをすることで、先住の鳥さんと私たち飼い主の関係性に何らかの影響が出ることは避けられません。
飼い主さんには、環境の準備だけでなく、心の準備もしていただけると嬉しいです。
『鳥の多頭飼い』3つの心配ごと。
最後、3つ目は『お世話がどれくらい大変になるのか』という心配。
鳥さんが一羽増えるということは、シンプルに考えて、飼育にかかる費用が一羽分増えるということです。
たとえば、『ケージ』『鳥さんが遊ぶおもちゃ』『保温器具』『動物病院』『ペット保険(加入するのであれば)』『旅行時に預けるペットホテル』などにかかる費用です。
ケージに関しては、つがいにする予定がなければ、一日に与える餌の量の管理や、一羽一羽それぞれの糞の状態を把握するという点でも、できれば一羽ずつ別々のケージで飼育するほうが望ましいのではないかな・・・と、僕は考えますので、新しくお迎えした鳥さんには新しいケージを用意することをおすすめしています。
動物病院の費用に関しては、言うまでもありませんよね。
健康な状態の鳥さんであっても、最低でも年に1回ないし2回は定期的に健康診断を受けることが望ましいです。
そして、みなさまへお願いがあります。
新しくお迎えした鳥さんには、健康診断を受診させてあげてください。
また、できれば・・・
お願いできる動物病院は限られてはいますが、遺伝子検査を含めた『総合健康診断』いわゆる『バードドック』を受けるのが望ましいです。
この検査で、感染症を持っているのかどうかがわかります。
もし、感染症を持っていた場合、先住の鳥さんに移さないためにも、検査料はすこし高額ですが、お迎え時の『バードドック』をおすすめします。
そして、1つ目の心配ごと『鳥さん同士でケンカをしないか心配』でも解説したとおり、鳥さん同士の相性が悪かった場合には、別々の放鳥タイムを設けるのが望ましいのですが、つまりそれは、放鳥タイムが単純に2倍必要となることを意味します。
飼い主さん自身の生活スタイルにも影響が出てくるでしょう。
毎晩、お仕事からの帰宅が遅い方など、いくらバードファーストな生活を目指していたとしても、ご自身の睡眠時間や生活リズムが崩れてしまえば、元も子もありません。
バードファーストなバードライフは、大前提として飼い主さん自身の健康状態が心身ともに良好でなければ成り立ちません。
放鳥タイムが2倍になる可能性もある、ということを考慮した上で、2羽目のお迎えを検討することをおすすめします。
わたしたちの『鳴き声』にも注意がひつようだよ。
小型に分類される鳥さんであっても、鳴き声がそこそこ大きい鳥さんもいますし、飼い主さんが視界から見えなくなったときに発する、いわゆる『呼び鳴き』は、すでに鳥さんと暮らしてらっしゃる方はご存知だと思いますが、びっくりするくらい大きいです。
また、鳥さん同士が仲良くなれば、お互いに鳴き声でコミュニケーションを取り合いますので、発せられる鳴き声が単純に2羽分になるだけでなく、お互いの感情を刺激して、鳴き声を誘発させ合う可能性もある、ということを念頭に入れておいてくださいね。
現在、ペットOKの物件で暮らしてらっしゃる場合でも、愛鳥家以外のかたにとっては、ときに鳥さんの鳴き声は騒音になります。
お隣さんとのトラブルに発展することも、十分あり得ますので、鳴き声対策が必要になるかもしれないことを覚悟しておいてください。
鳥さんが増えれば、お世話が大変になる。
当たり前のことですが、費用の面、ご自身のライフスタイル、住環境などに少なからず影響が出ることをシミュレートした上で、2羽目以降をお迎えすることをおすすめします。
多頭飼いのネガティブな面、デメリットにばかり着目した解説となってしまいましたが、多頭飼いにはもちろん多くの『メリット』もあります。
たとえば・・・
鳥さん同士のさまざまな関係性を見守りつつ、バードライフを楽しむことができたり。
巣引き、いわゆる繁殖をさせることができたり。
鳥さん同士に社会性を身に着けてもらうこともできるかもしれません。
また、鳥さんは仲間の行動を真似る習性もあることから、食欲が落ちたときでも仲間に釣られて餌を食べはじめるようになったり。
案外、一羽飼いよりも多頭飼いの方が飼育がしやすいという側面もあります。
そして、鳥さん同士の相性がよければ、飼い主さんへの依存心が一羽飼いの鳥さんよりも減るでしょうから、仕事やご自身の子育てに追われている飼い主さんには、多頭飼いのバードライフはご自身のライフスタイルにマッチするかもしれませんね。
一羽飼いでも多頭飼いでも、鳥さんとの暮らしは本当にすばらしいものです。
鳥さんに限った話ではありませんが、ペットをお迎えする際には、十分に環境を整えてから、また、ひとつの大切な命を預かるという覚悟を固めてから、お迎えするようにしてくださいね。